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持ってるだけでOK?配当金の得方|高配当株のメリットとおすすめ銘柄8つを徹底解説

株式投資で利益を得るには、株が値上がりしたところで売却して利益を得るキャピタルゲインと、配当金を受け取るインカムゲインとの2種類があります。株の値動きを見極め売却することは難しくても、配当金なら持っているだけでゲットすることができて株初心者にはおすすめ!

「でも、配当金ってどうやってもらうの?」

と疑問が湧いてきてしまったあなた。この記事では配当金ってなに?という基本から、配当金を得るための方法、そして高配当株のメリットとおすすめ銘柄8つについて徹底解説していきます。高配当株を選んで配当金をゲットして、高配当株のメリットを実感していきましょう。

権利確定日?権利落ち日?今さら聞けない配当金を得る方法

 

配当金って何?

 

配当金というのは、株主に対して企業が得た利益を還元してくれること。1株あたりの配当金が決まっており、私たちは持っている株数に応じて配当金を受け取ることができます。

ですが、どの株でも配当金が出るかといえば、そうではありません。配当金は基本的には利益の多い企業が出すものです。赤字続きの企業や企業の方針によっては出ないこともあるので注意してください。

 

配当金のもらい方

 

配当金は株を保有していれば受け取ることのできるものです。しかも、株を保有している期間は1日だけでも構いません。各企業が決めた権利確定日に株を保有していれば、配当金を得る権利を確定することができるのです。

ですが、ここにちょっとした落とし穴が。権利確定日という名前に騙されて、権利確定日に株を買ってしまうと配当金はもらえません。というのも、株は買ったその日に株主になるのではありません。ネットですぐ取引が完了してしまう現代ではあまり実感はありませんが、株は買った日を含めて3営業日目に受け渡しが完了し、私たちは晴れて株主となるのです。

つまり、配当金をもらうためには、権利確定日の3営業日前までに株を買っておく必要があるということ。この権利確定日の3営業日前を指すのが「権利付き最終日」という言葉です。配当金狙いで株を買うときには、権利確定日ではなく権利付き最終日に注目してください。

権利付き最終日の翌日を権利落ち日といい、この日に株を売っても配当金はもらえます。ただし、一般的には権利落ち日には株価も下がるとされているので、その点にも注意が必要です。

 

単元未満株や信用取引でも配当金はもらえる?

 

株を持っているだけで得られる配当金ですが、単元未満株や信用取引の場合はどうなるのでしょうか。

単元未満株の場合は、持っている株数の分だけ配当金をもらうことができます。配当金は1株あたりで決められているので、単元未満株でも変わらずもらうことができるのです。

信用取引の場合は、株やお金は自分のものではなく証券会社から借りているものです。そのため、配当を受け取る権利を得ることはできません。ですが、配当金相当額という形で受け取ることができます。

現物取引で得られる配当金と信用取引で得られる配当金相当額の違いは、税区分と金額です。

名称 税区分 配当控除と損益通算
現物取引 配当金 配当所得 配当控除の対象で損益通算できる
信用取引 配当金相当額

(源泉徴収税額を差し引いた配当金の額)

雑所得 配当控除ができず損益通算もできない

 

信用取引では配当金をもらうことはできませんが、配当金相当額という形でもらうことができます。配当がある株の場合、権利落ち日には配当金相当額だけ株価が下落します。現物株式での取引の場合は、配当金がもらえるので理論上は損失になることはありません。しかし、信用取引では配当金をもらえないため、そのままでは損をしてしまうことになります。その分を調整するために、配当金相当額は支払われます。

 

高配当株のメリット

 

高配当株とは

 

高配当株とはその名の通り、利回りの高い株式銘柄のことです。ただし、利回りが何%を超えれば高配当株というはっきりとした定義はありません。日本取引所グループのデータによると、2022年7月の日本の上場企業の株式平均利回りはプライム市場で2.3%、スタンダード市場で2.24%となっています。この数字を超えていれば、配当は平均よりも高いと言えるでしょう。一般的に高配当株と呼ばれるのは4%を超える配当利回りのものです。この記事でご紹介する高配当株も配当利回り4%を1つの目安としていきます。

 

高配当株のメリット①購入するだけで手間いらず

 

配当金は権利付き最終日に株を保有しているだけでもらえることは、既に説明した通りです。一般的に株で儲けるというと、株の売買をしなければならないというイメージがありますが、高配当株への投資では株を購入するだけでよく、そのほかの手間はかかりません。

最初から配当金を目当てに投資すると決めておけば、株式を持っているだけで配当金が得られ、日々の株価の上下に心を乱されることもないでしょう。高配当の銘柄を選び、後は購入するだけでほったらかしでも配当金が入ってくるのは、高配当株の大きなメリットの1つです。

 

高配当株のメリット②安定して不労所得が得られる

 

株価が上昇したときを見計らって売るキャピタルゲインを狙うとなると、いつ株価の上昇が起きるかわからず狙った通りに株価の上昇が起きるとも限りません。つまり、キャピタルゲインは不安定で不確実なものなのです。

それに比べると配当金などのインカムゲインは安定して不労所得が得られるのが、メリットの1つだと言えるでしょう。配当金はいつ何%得られるのかが決まっており、安定して毎年得られるものとなっています。

 

高配当株のメリット③株価暴落時の支えとなる

 

株式投資をしていて避けられないのが、株価暴落です。これまでの株価の歴史を見ても、株価は暴落を繰り返しながら成長するものだと言えるでしょう。記憶に新しいもので言えば、コロナウイルスの流行によるコロナショックで株価は暴落しました。そんなとき、人間の心理として焦って株を売ってしまいたくなるもの。しかし、コロナショック後すぐに株価は回復し、コロナ前より株価が上昇したのは皆さんご存知でしょう。

こんな株価暴落時の支えとなってくれるのが、高配当株への投資です。もちろん株価暴落時に高配当株がまったく影響を受けないわけではありません。減配や無配となる可能性はあるでしょう。しかし、株価の下落に比べると配当は変動しにくい傾向があります。株価が大きく下落しているときでも、配当金を得られればそれを支えに、それほど焦ることなく株価の回復を待つことができるでしょう。それどころか株価が下がれば、配当利回りは上がるので買い増しのチャンス!と前向きに捉えることさえできます。この考えは配当なしの株ではなかなかできないものでしょう。

 

高配当株のデメリット

 

高配当株にもデメリットはあります。それは、企業の業績悪化などによって減配や無配となる可能性があるということ。高配当株を買っている人は、その配当利回りの良さに惹かれたという人が多いので、減配や無配の発表があると一気に株価は下落してしまいます。

高配当株を探すときには単に配当利回りの良さだけを見るのではなく、業績や財務状況までチェックした方がいいでしょう。

また、配当金には20.315%の源泉徴収税がかかるのもデメリットの1つ。配当金を再投資する際にも税金が引かれてしまうので、複利効果を感じにくいでしょう。

こうしたデメリットを避ける方法にNISA口座の活用があります。NISA口座は配当金に関する税金が非課税となるため高配当株投資をするのにぴったりです。

最後に、高配当株はグロース株に比べると株価の伸びが緩やかな傾向にあります。そのためキャピタルゲインを得づらいという特徴があります。株価の値上がり益を狙う人にとっては、この点もデメリットだと言えるでしょう。

自分がキャピタルゲインを狙うのか、インカムゲインを狙うのかをはっきりさせてから投資銘柄を決定していきましょう。

高配当株の選び方

 

配当利回りだけでは判断しない

 

高配当株を選ぶときに配当利回りをチェックするのは当然なのですが、それだけで判断しては痛い目を見ることになります。「配当利回りが良い=良い企業である」わけではありません。それは、業績が悪かったり将来的な見通しが悪かったりして株価が下がり、その結果高配当株に見えているだけのものもあるからです。こういった株は今は配当利回りが高く見えても、そのうち業績悪化によって減配や無配となる可能性が高いでしょう。

財務状況も見て、その配当利回りが無理ないものかについてまで判断するようにしていきましょう。一般的に配当利回りが5%を超えてくると注意が必要だとされています。今の配当金だけでなく、過去何年かのキャッシュフローについてチェックするようにしましょう。

 

記念配当など一時的な増配でないかチェックする

 

「高配当の株を見つけた!」そんなときに必ずチェックしておきたいのが一時的な増配ではないかということです。企業の創立記念や何かを記念して増配をする銘柄があります。こうした記念配当を行うと配当利回りは上昇し、株価も上昇する傾向にあります。

しかし、記念配当で増配が行われるのはその年だけ。また翌年以降は配当金は元通りになり、株価も下落するのが一般的です。昨年よりも配当利回りが大きく上がっているという場合には、記念配当など一時的な増配でないかのチェックを怠らないようにしてください。

 

おすすめ高配当株銘柄8選

 

おすすめ高配当株①【9432】NTT(日本電信電話)

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
3,791円 3.03% 20年非減配・11年連続増配・株主優待あり

 

【9432】NTT(日本電信電話)高収益で財務状況も良く株主優待まである、インカムゲインを狙う人なら持っておきたい株の1つでしょう。高配当株への投資で怖いのが減配されることですが、NTTは20年非減配の株で、11年連続で増配を行っている株です。これはNTT株の強みで、決算資料にも長期の配当金推移が載っているのでチェックすることができます。コロナショックの際も増配を続けており、これからの増配も期待できる銘柄です。

財務状況や業績も心配なく、営業キャッシュフローマージンが安定して20%を超え、営業利益率は10%以上で安定しています。NTTといえば固定電話、光通信、携帯電話という私たちの生活になくてはならないサービスを提供している会社です。今後もその需要が尽きることはなく、安定した株価の伸びと増配が期待できるでしょう。

株主優待は2年目、5年目のみという変則的なものですがdポイントをもらうことができます。長期で保有し株主優待までゲットすれば、さらに配当利回りはアップ!高配当株投資をするのならぜひチェックリストに入れておきたい株です。

 

おすすめ高配当株②【8766】東京海上ホールディングス

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
7,326円 3.48% 3期連続増配

 

高配当株に投資する上で大事なのが、増配傾向にある株に投資することです。今後も増配を続けてくれるのであれば、株価は上昇することが見込めますし配当金というインカムゲインにプラスして、株価の値上がり益であるキャピタルゲインも得ることができます。

そんな増配傾向の株としておすすめしたいのが【8766】東京海上ホールディングスです。東京海上ホールディングスは3期連続で増配しており、過去10期を見ても減配したのは1期しかなく、10期の間に配当金は70円から300円にアップしています。保険会社としての業績も堅調で今後も安定した配当が期待できる銘柄でしょう。

 

おすすめ高配当株③【1951】エクシオグループ

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
2,159円 4.44% 10年連続増配

 

【1951】エクシオグループのおすすめポイントは、4.44%という配当利回りの高さでしょう。株価も高配当株の中では低く、「これから高配当株投資を始めるぞ!」という人にもぴったりの銘柄です。

エクシオという名前は聞き慣れないかもしれませんが、NTT工事等の電気通信工事を手掛ける通信インフラの会社です。コロナ禍においても通信インフラ業の業績は安定しており、財務状況・業績ともに好調です。

 

おすすめ高配当株④【8945】サンネクスタグループ

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
974円 3.28% 景気悪化に業績が影響を受けづらい

株主優待あり

 

【8945】サンネクスタグループは、国内最大手の社宅の総合アウトソーシング会社です。業務内容は社宅の事務管理代行や施設管理、修繕工事など。サンネクスタグループの強みは豊富な現金を所有していることでしょう。無借金企業なので配当支払い余力も大きく、今後も増配が期待できます。

 

おすすめ高配当株⑤【8570】イオンフィナンシャルサービス

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
1,425円 3.50% 株価回復・増配が期待できる

 

【8570】イオンフィナンシャルサービスは、金融サービスを提供する会社で、国内最大手の流通企業グループイオンの子会社です。コロナショックの影響を受けた銘柄であり、2021年2月期には減配をしており、株価もいまだコロナ前を下回っています。

しかし、2022年2月期には増配を行い、コロナが収束し経済活動が本格化すれば株価の回復も見込めるでしょう。イオンフィナンシャルグループは、日本だけでなくアジアNo.1のリテール金融サービス会社を目指しており、まだまだ伸びしろのある会社です。長い目で見て配当金を得ながら、株価の上昇も期待できる銘柄です。

 

おすすめ高配当株⑥【2914】JT

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
2,307円 6.07% 高配当&成長期待

 

高配当株として必ず名前が挙がるのが【2914】JTです。以前は高配当なことに加え、100株あたり2,500円分の株主優待まであったJT。2021年12月期に株主優待の廃止が発表され2023年の優待発送で優待は完全廃止されることに。この発表により株価は一時落ち込んでしまいましたが、高配当株を狙うならむしろ優待廃止はチャンスだと言えるでしょう。

それは、優待にかかっていた費用を配当に回すことができるようになるためです。そもそも配当利回りの高かったJTですが、優待廃止によって今後も配当の上昇が期待できるようになります。たばこ産業は斜陽だと言われることもありますが、JTはたばこ以外にも医薬事業や加工食品事業も取り扱っていて、まだまだ成長が期待できる企業です。

 

おすすめ高配当株⑦【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループ

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
721.9円 3.87% 1単元の価格が低い

 

【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループは、三菱UFJ銀行を中心とした日本最大の金融グループです。おすすめポイントは株価が低く、投資を始めたばかりの人でも買いやすいということ。売上は上昇傾向にあり、利益は横ばいと非常に安定した企業でもあります。

増配を重ねており、長期で見ると配当利回りも上昇しています。高配当株投資を始めたばかりの投資初心者がまず1単元買うのなら、三菱UFJフィナンシャルグループはおすすめできる銘柄です。

 

おすすめ高配当株⑧【4502】武田薬品

 

株価(2022/8/8) 配当利回り おすすめポイント
3,765円 4.78% 1株当たりの年間配当金180円の確立

 

【4502】武田薬品は、4.78%と配当利回りの高い銘柄です。配当政策として1株当たりの年間配当金180円の確立をうたっており、2013年からずっと180円の配当金を維持しています。しかし、近年の武田薬品は事業拡大のため事業買収を行っており利益があまり出ていません。

配当性向を見てみても、利益以上に配当金を出している状態となっており100%を上回ってしまっています。しかし、逆に言えば配当性向が100%を超えても配当を維持しているというのは、事業拡大が成功し利益が出ることが見込まれるからではないでしょうか。今後は新薬の承認などもスケジュールに組み込まれており、十分に利益拡大は有り得るでしょう。ただし、これらはすべて未確定なこと。武田薬品の株を購入するときには、このままの業績が続けば減配も有り得ることだと頭に入れておきましょう。

 

まとめ

超低金利の今、銀行にお金を預けてもちっとも増えることはありません。それならば、高配当株への投資を考えてみるのはいかがでしょうか?高配当株なら3~4%の配当金が得られ、しかも配当金は株を保有しているだけで自動的に得られます。株価の値上がりに一喜一憂することなく、配当金をひたすら狙う。こんな投資方法もあるのです。

高配当株は株価が安定しており、株価暴落時にも強い支えとなってくれるでしょう。今回ご紹介した銘柄をチェックして、ぜひ高配当株への投資を開始してみましょう。インカムゲインがあなたの生活を豊かにしてくれるはずです!

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