ノウハウ11~20

18サンクコストバイアスとは?過去に縛られない意思決定方法を解説!

こんばんは。
COMEです。

今回は、この記事を書いていて”あるバイアスに注意しましょう!”と発信している私でさえ、日々の生活の中に潜んでいる誤った判断基準を使用してしまうほどです。
今回は、サンクコストバイアスと言って、過去に費やした費用や時間といった自分のコストを無駄にしたくないがために、この先無駄な行動を止められないという非合理的な人間の習性について解説していきます!

・なかなか出ないレアガチャを課金し続けてしまう
・この人とお付き合いしても意味がいないと感じつつも、付き合った年数を考えると別れに踏み切れない
・立ち上げた事業を収益が乗るまで多くの金銭的・時間的投資を行ったため今更無駄にできない
・投資でマイナス1万円だったが5万円に膨らんでしまった。ここまで我慢したのだから今更やめられずに損切をしなかったらマイナス8万円まで膨らんでしまった。
こんな事例があります(;^ω^)

それでは具体的な事例から始めますので、
あなたならどう考えるかを想像しながら読み進めてください!

高いか?安いか?

水を買う
A:富士山の天然水が500mlで50円
B:富士山の天然水が500mlで300円

傘を買う
A:コンビニで売られている一般のビニール傘が100円
B:コンビニで売られている一般のビニール傘が500円

さて、あなたはAが一般的に安く、Bが一般的に高いと感じましたか?
判断がつく場合には、無意識に日常生活で売買するモノの価格の基準がある程度作られているためにできることなのです。
水は大体60~120円、傘は200~300円程度でスーパーやコンビニで買っているor売られているのを見かけるからです。
しかし、モノの価格というのはタイミングや場所など様々な条件下で需給が変わり、価格が動います。
株式投資でも需給バランスが変わるからこそ価格が刻一刻と変わりますよね。

 

高いか?安いか?

水を買う
A:富士山の湧水があふれる井戸の横で売られている富士山の天然水が500mlで50円
B:海外のレストランで使用される飲み物で富士山の天然水が500mlで300円

傘を買う
A:コンビニで傘を大量に発注してしまったために在庫処分で売られている一般のビニール傘が100円
B:大雨が降り始めたとき、人がたくさん押し寄せているライブ会場付近のコンビニで売られている一般のビニール傘が500円

先ほどの回答と異なって、気持ちAが割高、Bが割安には感じませんか?
もしくはBであっても状況次第では妥当だと思えたりしましたでしょうか。
このように、ある価値に対して私たちが定める価格設定は、公正さ(妥当である)が影響を及ぼしています。
確かにその価格だと思えるためには、心の中で妥当だと感じることのできる公正さ(不公平でない)が存在しています。

次に、この公正さを計る基準となる指標は費やした「労力」が関係しています。
「湧水の近くで同じ水を売るなんて簡単じゃないか!お金なんて払えない。」や、
「こんな場所(海外)で日本の水が飲めるのか!よくぞ運んでくれたな。」といった具合です。

しかし、この労力が想像できないとき、私たちは正しい価値に対して評価を誤ります。
ピカソにまつわるこんな伝説があります。
ピカソが公園にいると女性が近づいてきて、自分の絵を描いてほしいとせがみました。
ピカソはしばらく女性を観察すると、たった一筆で素晴らしい絵を描きました。
女性が喜び支払いを求めると、ピカソは5000ドルですと答えました。
女性は驚き、ほんの数秒で描いた絵がそんなに高いことを否定しました。
ピカソはこう答えました。
「この絵にはこれまでの全人生の経験に加え、ほんの数秒がかかったのですよ」
作品にはその作品に筆をとった時間だけでなく、これまで積み重ねてきた専門性や知識、経験ものっているという話です。

日常生活に近づけてみましょう!
空かない鍵が錠前屋の技術によって1分でまんまと簡単に空いたときと、
空かない鍵が錠前屋の技術によって汗水たらした結果10分でなんとか空いたときでは、
どちらがより多くのお金を払いたくなるでしょうか。
この場合、頑張った労力がわかりやすい後者により多くの支払いを評価する人が多くなります。
しかしながら前者は1分足らずで鍵を空けており、10分もかける錠前屋より短時間で空けていることから価値が高いとは思いませんか。
「時間がかかっていないから労力がかかっていない、だから価値は低くモノは安いはずだ」や「時間がかかったから労力はたいへんなものだ、だから価値は高くモノも高いはずだ」と考えるのは判断を誤る第一歩となります。

カップルのそれぞれに、互いの家事への貢献度を質問すると、ほとんどのケースで100%を超るそうです。
「自分は60%はやっている、相手も自分は70%やっている。」
「自分は最低でも30%くらいはやっている、相手も自分は90%はやっている。」
といったように、本来足して100%になるものも、相手の労力のすべてを確認できないために過小評価しがちで、自分の労力はすべて経験しているため過大評価しがちになります。

「株式投資は椅子に座ってマウスをクリックしているだけで儲かる。」
「一生懸命に会社に足を運んで朝から仕事をする会社員と違って楽だな。」
「いつか株式投資で楽にお金を稼げたらいいな」
なんて思う人も少なくありません。
労力が見えにくいだけでその後ろには莫大な努力と経験が武器となっていることを見落としている典型例です。
同じ判断、買う・売るに至ったとしても、素人とプロのトレーダーではその価値に雲泥の差があります。
積み重ね、繰り返しで少しずつ培われる経験や技術が勝利を導く株式投資の世界では、仮にある場面でプロと同じ判断だったからといって喜べるわけではないのです。

本当の価値を判断するうえで、いかに自分たちが労力や公平性に影響されるかわかりましたでしょうか?
「自分はこれだけ調べたのだからor入念に買うかどうか検討したのだから、判断が誤っているはずがない」と信じ込んで損失を認められないトレーダーが陥るサンクコストバイアスもここに起因します。
株式投資の世界では頑張った人に報いるのではなく、正しい判断をした人に報います。
常に真の価値判断をする癖をつけるために、こうした判断をゆがめがちなバイアスを学んでいきましょう!
バイアスを知ることで、「そのバイアスがあったんだよなぁ」と思いだせ、惑わされにくくなります。

今回は以上です!
ありがとうございました。

COME

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