先日銀行から下ろして来た2万円が、いつの間にかなくなっている。
しかも何に使ったか覚えてない・・・。
こんな事ってありませんか?
そう!まさしくこれが「貯蓄がなかなか出来ない人」に良くあるパターンです。
将来に向けて貯蓄をしたい!
ムダ遣いしてるつもりはないんだけれど、どうも貯蓄が出来ていない。どうしたらいいんだろう?
そんな悩みを持っている人が意外に多いのです。大丈夫です!ちょっとしたコツをつかめば、誰でも貯蓄出来るようになります。そこで、どうすれば良いのか今回の記事では次の事をお伝えしていきます。
- 貯蓄が出来るようになる仕組みづくりについて
- 貯蓄するなら「先取り貯蓄」に限る!方法は?
- おすすめの貯蓄方法5選
最後までお読みいただければ、貯蓄の仕組みづくりが良く分かり、貯蓄が出来るようになっていくでしょう。是非、ご覧ください!
【 目次 】
貯蓄のおすすめ!「仕組み」を作る方法
同じ金額の給料をもらい、同じようなアパートに住んでいる人でも、たくさん貯蓄している人と貯蓄が全然出来ていない人がいます。何故でしょうか?
ひたすらガマンして無駄遣いをしない、節約をしている。という事でしょうか?
いえいえ、決してそうではないのです。
では、貯蓄が出来ている人は貯蓄が出来ていない人と何が違うのでしょうか?
それは、「貯蓄のしくみを作っているから」なのです。
そこで、これから貯蓄のおすすめの「仕組み」を作る方法を順にお伝えしていきます。
バランスシートを作る
貯蓄や投資をする前に、まず最初にアナタの実際の資産状況をしっかりと把握する必要があります。
それには、バランスシートを作ると分かりやすいです。バランスシートは、資産と負債から純資産を出していきます。
【資産-負債=純資産】・・・この「純資産」を増やす事が大切です。
資産と負債の内訳は下記表の通りです。
ちなみに、資 産 | 負 債 |
普通預貯金 定期預貯金 生命保険 株式や投資信託等 不動産 車 |
住宅ローン 自動車ローン クレジットローン等 |
毎年1月や12月など、キリの良い月をチェックする月と決めて、1年でどのくらい資産が増えたか(減ったか)などを把握しましょう。
目の前にあるお金(金額)だけではなく、負債も考えた上でトータル的な資産として、純資産を捉えておくことが大切ですね。
使途不明金をなくす
「そんなに無駄遣いをしたつもりはないのに、何故かお金が貯まっていない。」
という悩みがある人がいたら、原因はズバリ!「使途不明金」があるからです。
使途不明金と言っても何も大きなお金ではないのです。自動販売機で買うコーヒーやワンメーターで利用したタクシー代など、領収証が出ないで無意識にパッパと使ってしまっているお金の事です。
あるいは、毎日のコンビニでの少額の買い物などはレシートをもらっていない人が多いですよね。
例えば1日に1,000円の使途不明金があるとすると、ひと月では3万円の使途不明金になってしまいます。
1回1回のお買い物の金額は小さくても、まとめて考えると意外と大きな金額になっている事も十分に考えられますよね。
1年で考えてみましょう。
次に年間収入350万円、手元に残ったお金(貯蓄や投資に回したお金)が50万円とします。
【年間支出=年間収入-年間で残ったお金(貯蓄や投資)】となりますから、
年間支出は、350万円-50万円=300万円
アナタが把握している年間支出額が300万円であれば、使途不明金がゼロになり問題ありません。
しかし、把握している年間支出額が仮に270万円だとすると、使途不明金は、300万円-270万円=30万円となります。
知らず知らずに使ってしまっているお金が30万円もあるというのは問題で、何とかしたいと思いますよね。
一番良い方法は「家計簿をつけること」です。
家計簿をつける事で、何にお金を使ったのか分かり使途不明金がなくなります。すると自然と無駄遣いも減ってくるものなのです。
手書きの家計簿は大変という方でも、最近はスマホで簡単出来る家計簿アプリもたくさんあります。レシートをスマホで写メを取って読み込ませるだけで把握してくれる便利なアプリもあります。レシートは捨てずにもらってきて管理をする事は大切ですね。
そして、ここまで把握出来たらいよいよです!貯蓄のしくみ作りの大骨になる「先取り貯蓄」の説明に入って行きます。
先取り貯蓄(投資)の仕方
貯蓄をするのに一番大切な事は「先取り貯蓄(投資)」をする事です。
先取り貯蓄がキチンと出来るようになれば、自然と貯蓄が出来るようになります。そこで、ここからは先取り貯蓄の仕方について詳しくお伝えしていきます。
先取り貯蓄とは
「先取り貯蓄」とは、別名天引き貯蓄とも言い給料をもらったら先取りして貯蓄に回す事です。
給料をもらったらすぐに使って残った分を貯蓄に回そうとすると、つい余分に使ってしまい貯蓄に回すお金がなくなる事もあるでしょう。
先取り貯蓄をしない場合、式で表すとこうなります。
【収入ー支出=貯蓄(投資)】
支出ありきで、残りのお金で貯蓄という形ですね。これが「最も貯蓄出来ないパターン」です。
しかし、もらった収入から先に貯蓄や投資の分を先取りしてしまって、残った分で支出をすると決めると、残った金額で生活しようとするので、計画的に使うようになります。すると、必然的に節約にも繋がっていきます。
そして結果として毎月一定額の貯蓄が出来ていき、着実に貯まっていく事になります。
先取り貯蓄をする場合、式で表すとこうなります。
【収入ー貯蓄(投資)=支出】
貯蓄ありきで、残りのお金で支出と考えるのが「最も貯蓄出来るパターン」と言えます。
この先取りの金額ですが、「手取り収入の2割」を目安にすると良いでしょう。
では、先取り貯蓄の仕組みを作っていきましょう!
先取り貯蓄3種類
先取り貯蓄をするには、生活口座に給料が振り込まれたら、使う前に「3つの口座」にお金を振り分ける事が成功の秘訣です。
生活口座とは
3つの口座に振り分ける前に、まず「生活口座」について説明します。
生活口座とは、生活に必要なお金が入っている口座の事で「支出用の口座」です。
生活口座に給料を振り込みます。生活口座に残す金額は、給料やボーナスから下記で説明する先取り口座3つ(貯蓄用・プール用・投資用)の金額を差し引いた残りの金額になります。
つまり、「先取りした残りの金額」が生活口座の金額となります。
生活口座からは光熱水費やスマホ代など、口座引去りで支払う物は引かれるようにします。給料が振り込まれますから、通常は何もしなくても自動的に支払いとなります。現金が必要な分は、生活口座から下ろしてお財布に入れます。
この生活口座の金額の範囲内で生活をしていれば、赤字になる事なく順調に貯蓄も出来ている事になりますね。
生活口座以外の3つの先取り口座とは次の通りです。
さて、- 貯蓄用口座
- 一時的プール用口座
- 投資用口座(証券口座)
ひとつずつ説明します。
1.貯蓄用口座
毎月、決まった金額を入金します。入金する内容は次の通りです。
- 定期積立預金
- 生命保険(積立型)
- 万一の時のための緊急予備資金
貯蓄用口座のお金は「当面引き出さない予定のお金」です。
子供の教育資金や結婚資金、マイホームの頭金など、目的を持って貯めて行くお金の置き場所です。
また、いつ失業や病気で給料がもらえない事態がおきるかもしれませんので、そのための緊急予備資金も用意しておきましょう。
目安としては、給与所得者で4~6か月分、自営業者で12か月分の所得分を用意しておくと良いでしょう。
2.一時的プール口座
短期間(おおよそ1年以内)に使い道の決まっているお金を一時的にプールしておくお金の置き場所です。
入金する内容は次の通りです。
- 夏休み中の家族旅行費用
- 賃貸マンションの更新費用
- お中元・お歳暮代
- 冠婚葬祭費用等
なお、家電製品が壊れたりした場合の予備費用は、貯蓄用口座の中の緊急予備資金とは別に一時的プール口座に入れておきましょう。
3.投資用口座(証券口座)
投資をする時の費用を入れておくお金の置き場所です。
入金する内容は次の通りです。
- 投資信託
- 株式
- iDeCo
- つみたてNISA等
投資をするには「余裕資金で」が鉄則です。
万一マイナスになっても、生活が困らない程度の金額でやって行けば安心です。最初は、純資産の10%以内で考えるのが良いでしょう。
投資は長期的目線で見て行くものですから、急な事があって下ろすという事には向きません。長期的目線で見ていくと大きく増やせる可能性があるお金になります。
先取り貯蓄の仕組み作り
では、先取り貯蓄の仕組み作りについてお伝えします。仕組み作りは次のようにしましょう。
- 先取り口座に入れる金額を計算して決め、給料が入ったらそれぞれの金額を割り振りして先取り口座に入金する。
- 定期積立預金の自動設定、積立投資の設定をする。生命保険の積立などは契約して、口座からの自動引き去りの申し込みをしておく。
この2つを最初にやっておけば、あとは自動的に引き去りして貯蓄や投資をしてくれます。
また、他口座への引き落とし日を給料日の後、数日以内に設定することがとても重要です。
給料日の直前に「余っているから他口座へ移そう!」としていては、余ったから回すという考え方になりますので、先に説明した”先取り口座への先取り”の意味がなくなってしまいます。最悪なケースだと、口座にお金が残らなかった場合引き落としもできませんのでお金が残りません。
要は最初が肝心。あとはおまかせで大丈夫です!
お金を貯めやすいおすすめの貯蓄方法5選!
それでは、貯蓄をするのにおすすめの方法を5つお伝えします!
積立定期預金(自動積立型)
一番確実で身近な方法が、銀行などで行う積立定期預金です。貯蓄をした事がない人は、まず積立定期預金をすると良いでしょう。
積立定期預金のメリットは次の通り。
1.手間要らずで貯蓄が出来る
毎月決まった日にちに決まった額を普通預金通帳から自動的に積立て口座へ積み立ててくれるので、一度申し込みをしてしまえば手間要らずです。
2.目標額を決めてコツコツと貯めて行ける
目標額を決めてその金額に向けて貯蓄出来ますから、頑張ろうという気持ちが湧きますし、到達したら達成感もあって貯蓄の初心者向きです。
3.拘束力がある
貯蓄が貯まらない原因は「すぐ下ろせたら使ってしまうこと」ですが、積立定期預金は普通預金と違ってすぐに引き出せません。「すぐに引き出せない」拘束力がお金を貯めるコツになります。
4.元本割れの心配なし
万が一お金が必要になった時に解約しても元本割れする事がないのが魅力です。他の金融商品と比べると利率は低いですが、すぐに解約となってしまっても損をする事はありません。
5.利率は普通預金より若干高め
利率は低いですが、普通預金よりは若干高めです。
財形貯蓄
財形貯蓄は、勤務先が従業員の給料から天引きして貯蓄出来る制度ですが、勤務先が財形貯蓄制度を導入している場合に限り利用出来ます。
会社では、天引きしたお金を財形取扱金融機関に払込みます。利率は金融機関によって異なっています。社員の各種ライフイベントを支援する資金づくりに役立つ制度と言えますね!
財形貯蓄の種類は次の3種類。
一般財形貯蓄 |
使用用目的の限定がない貯蓄。 自身の目的(旅行や車購入、結婚資金等)で貯めていく事が出来る。 貯蓄開始から1年経つといつでも自由に払い出し可能。 |
財形住宅貯蓄 | マイホームの購入資金やリフォームなどが目的の貯蓄。 |
財形年金貯蓄 | 60歳以降に受け取る事の出来る、年金が目的の貯蓄。 |
財形貯蓄制度のメリットは次の通り。
1.給与天引きなので自動的に貯蓄される
給与天引きなので最初の申し込みだけであとは自動的に貯蓄されますから、大変便利な先取り貯蓄になります。
2.元本550万円までの利子は非課税
財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を合わせて550万円までは非課税となります。なお、一般財形貯蓄には非課税枠がありません。
3.財形住宅貯蓄をしていると融資が受けられる
融資限度額は財形貯蓄残高の10倍まで。最高で4,000万円まで受けられます。マイホーム資金として役立ちますね。
このように、目的が「マイホーム」や「年金」と決まっている場合の貯蓄でしたら、メリットの高い財形住宅貯蓄か財形年金貯蓄にしましょう。
つみたてNISA
貯蓄をするには安定型の貯金だけでなく投資もやって効率的にお金を増やしたい。そんな投資初心者向けにオススメです。
つみたてNISAは国で個人の資産運用方法として推奨していますので、貯金との分散投資にもおすすめです。
つみたてNISAのしくみは次の通り。
- 1人1口座
- 新規投資額で毎年40万円が上限
- 投資可能期間は2018年~2042年まで
※令和2年度税制改正で、投資可能期間が従来の2037年から5年間延長されました。
- 投資対象商品は分散投資に適した一定の投資信託
- 運用次第で元本を大きく上回る事もあるし、元本を下回る可能性もある
つみたてNISAのメリットは次の通り。
1.非課税期間は20年間
毎年購入した投資信託で得た分配金と値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)が、最長20年間課税されません。また最大800万円まで投資出来ます。
2.少額からはじめられる
大半の金融機関では最低1,000円から運用開始出来るので、まとまった資金がなくても手軽に始められます。中には100円から積立可能な金融機関もあります。
3.年齢の上限なし
年齢の上限がありませんので、いつからでも始められ長期的に運用出来ます。
4.いつでも換金可能
必要になった時は、いつでも途中で換金が出来ます。子供の教育資金や住宅資金などで急きょお金が必要になった時、自由に換金できます。ただし、非課税枠の再利用は出来ません。
5.投資のタイミング判断不要
つみたてNISAの投資方法は、毎月一定額を積み立てるだけです。設定した金額を口座に入れておくだけで自動的に引き落としされますので、自分で投資のタイミングの判断をしなくても良いですから初心者には安心ですね。
iDeCo
投資初心者にオススメの、国で推奨しているもうひとつの商品がiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
確定拠出年金には企業型と個人型があります。
企業型は会社が退職金制度として導入して会社が掛けていきますが、個人型は個人が任意加入する年金で、iDeCoは個人型になります。
iDeCoのしくみは次の通り。
- 毎月一定額を積み立てる
- 自分で選んだ商品で運用する
- 掛けられるのは60歳までで、60歳以降に年金または一時金で受け取れる
- 運用次第で元本を大きく上回る事もあるし、元本を下回る可能性もある
iDeCoのメリットは次の通り。
1.所得税・住民税が安くなる
掛金が所得控除の対象になりますので、所得税、住民税が安くなります。
2.利息や運用益が非課税
一般の投資信託の運用益や利息は20.315%の税金が掛かりますが、iDeCoは非課税です。
3.年金で受取り時、公的年金等控除が受けられる
60歳以降年金で受け取る時には、公的年金等控除が受けられ税制面で優遇されます。
4.掛金は月々5,000円からOK
掛金は月々5,000円で1,000円単位で設定可能と、お手頃な金額で加入出来ます。
5.年金受取時期は自分で決められる
60歳~70歳までの間に年金の受取り時期を決められます。アナタの定年時などの希望時期に合わせる事が出来ます。
6.元本確保商品を選べる
投資信託は運用が上手く行かなかった場合、元本割れが生じる場合があります。
どうしても元本割れに抵抗のある場合には、「元本確保商品」である定期保険などをを選ぶことも出来ますので安心ですね。
個人年金保険
個人年金保険は、公的年金や企業年金だけでは将来の年金が不足している場合に加入する私的年金で、生命保険会社で販売しています。
個人年金保険のしくみは次の通り。
- 保険料払込期間、年金開始年齢を決めて毎月一定額の保険料を支払って行く。
- 設定した年金開始年齢が来たら年金で受け取る。その際、確定年金、終身年金、保証期間付終身年金などから選ぶ事が出来る。
個人年金保険のメリットは次の通り。
1.生命保険料控除の対象となる
個人年金保険は生命保険ですから、生命保険料控除の対象となります。しかも一般の生命保険料控除とは別枠で「個人年金保険料控除」が受けられ所得控除が出来ます。(ただし該当になるには条件あり。)
2.長期的に見ると貯金より利率が高い
生命保険は長期契約です。途中で解約すると損をしますが、予定通り掛けた場合、利率は貯金より遙かに高い利率で運用されます。
まとめ
ここまで貯蓄のおすすめ方法や仕組み作りについて紹介してきましたが、いかがでしたか?今回の記事では次の事をお伝えしました。
- 貯蓄のおすすめの仕組み作りの方法は、バランスシートを作り、使途不明金を無くすことからはじめると良い。
- 貯蓄をするのに一番大切なのは「先取り貯蓄」をする事である。
- 先取り貯蓄をするには生活口座の他に、先取り貯蓄口座として貯蓄用口座、一時的プール用口座、投資用口座を準備して、使う前にお金をそれぞれの口座に振り分けて管理する事である。
- お金を貯めやすいおすすめの貯蓄方法は、積立定期預金、財形貯蓄、つみたてNISA、iDeCo、個人年金保険である。
今まで貯蓄がなかなか出来なかった人も、貯蓄の仕組み作りをする事で貯蓄が出来る体質に変わってくる事でしょう。
将来の目的に向かって早速始めてみませんか?