資産形成

夫婦2人で過ごす老後の生活費を徹底解説!老後の生き方メゾット

「老後の生き方」と聞いて、アナタは何を連想しますか?
若いアナタは子育ても終了し、夫婦二人の生活を連想されるかと思います。

仕事もリタイアした後に
「一体お金はいくらくらいかかるんだろう?」
「いくらくらい準備しておけば安心なんだろう?」

と漠然とした不安を感じませんか?

そこで、今回は次の事をお伝えします。

  1. 夫婦2人で過ごす老後の生活費はいくら必要?
  2. 夫婦2人で過ごすゆとりある老後の生活費について
  3. 老後にかかるお金を費目別に紹介
  4. 夫婦2人で老後を快適に暮らす生き方の工夫

最後まで読めば、老後夫婦2人で暮らす時のお金のこと、生き方の事がよく分かり、若いうちからの心づもりが出来て不安感が減るでしょう。

是非、お読みください。

夫婦2人で過ごす老後の生活費は?

突然ですが、日本人の平均寿命は、何歳だかご存じでしょうか?

厚生労働省の「平成30年簡易生命表」概況によると、男性は81.5歳女性は87.32歳となっています。
また、60歳の人が95歳まで生存する割合は25.3%。つまり、4人に1人は95歳まで生きる事に!

まさしく「人生100年時代の到来」と言えましょう。

平均寿命が延びた事は大変喜ばしい事ですが、ここで心配になるのが「老後のお金」の事ではないでしょうか。

「老後破産」という言葉を聞いた事はありませんか?
長生きをしたために老後の経済状態が苦しくなってしまうという悲しい現実の事です。

そうならないためにも、実際に夫婦2人で過ごす生活費はどのくらいかかるのか、そして老後のゆとりある生き方についても考えていきましょう。

 

夫婦2人の老後生活費はいくら?

 

ではまず、夫婦2人の老後の生活費はいくらかかるのか説明します。

総務省平成30年2月に発表した「家計調査報告」によると、退職後の生活費は現役時代と比べて75%が必要になるとの事です。

では、夫婦2人のひと月の生活費の支出額と収入額は実際にいくらになるでしょうか。

下記で実支出額と実収入額を一覧表にしました。
モデルケースは「夫65歳・妻60歳で共に無職の世帯」の場合です。

<実支出額>

費目 金額
食料 64,444円
住居 13,656円
光熱・水道 19,267円
家具・家事用品 9,405円
被服・履物 6,497円
保険医療 15,512円
交通・通信 27,576円
教育娯楽 25,093円
その他の消費支出 54,028円
非消費支出(税金・保険料など) 28,240円
合 計 263,718円

<実収入額>

費目 金額
社会保険給付 191,880円
その他収入 17,318円
合 計 209,198円

参考:金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書・令和元年6月を基に作成

実支出額-実収入額=ひと月の不足額となりますので計算すると。
263,718円-209,198円=54,520円

つまり、老後生活していく上での生活費は、ひと月で約5.5万円不足する事になります。

老後30年で計算してみましょう。
54,520円×12か月×30年=19,627,200円

約2,000万円不足する事になります。

2019年に金融庁が発表した「老後2,000万円問題」は、このような計算で生まれた数字です。

もちろん、モデルケースの場合ですから、例えば定年後も働くとなると、上記の金額はあてはまりませんので、必ずしも必要な金額ではありません。

しかし、住居費は13,656円となっていますが、賃貸住宅の人の場合はもっと多くなりますし、アナタの将来のライフスタイルではもっとお金が掛かるケースも出てきます。
また、上記は「ひと月に必要な生活費」の試算になっていますので、後述する介護費などは含まれていません

 

夫婦2人のゆとりある老後生活費はいくら?

 

老後、夫婦2人で暮らしていくための「ゆとりある生活費」はいくらなのでしょうか?

生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によると、「老後の最低日常生活費はいくら必要か?」という質問で、平均「22.1万円」という結果がでました。
金融庁金融審議会のデータの26.3万円と比較すると約4万円低い金額になっていますね。

せっかくの老後を、ただ日常を最低のお金だけで暮らしていくのでは楽しみがありませんよね。

そこで、「ゆとりある老後生活」を送るにはあとどのくらい必要か?の質問では平均で「14.0万円」という結果になっていました。

先ほどの最低生活費にゆとり生活費を足してみます。
22.1万円+14.0万円=36.1万円

ひと月に「約36万円」あればゆとりある生活が出来ると考えられているのが分かります。

では、ゆとりある生活のための使途はどのようなものか内訳をご紹介します。

<老後のゆとりのための上乗せ額の使途(令和元年)>複数回答

旅行やレジャー 60.7%
趣味や教養 51.1%
日常生活費の充実 49.6%
身内とのつきあい 48.8%
耐久消費財の買子どもや孫への資金援助替え 30.0%
子どもや孫への資金援助 22.4%
隣人や友人とのつきあい 15.5%
とりあえず貯蓄 3.7%
その他 0.4%
わからない 0.4%

参考:生命保険文化センター令和元年度「生活保障に関する調査」第Ⅲ章 老後保障

やはり、旅行や趣味が半数以上の人が「ゆとり」と考えているのが分かります。
また、身内や隣人、友人との付き合いも老後の大切な楽しみにつながりますので、ゆとり資金があげている人が多いのが分かります。

 

老後の生き方の「ゆとり」の考え方について

 

ここまで数字で老後の最低必要な生活費とゆとりの生活費についてお伝えしてきました。

「ワタシはこんなに沢山のお金を準備するのは無理だわ。ゆとりなんて持てない。」
と思って、老後は節約、節約とつつましやかな生活しか出来ないと思った方も多いのではないかと思います。

しかし、そんな事はないのです。先ほどお伝えしたデータはあくまで、モデルケースとアンケート結果です。
アナタにはアナタのライフスタイルがあります。
その中で、実際は、そんなにかからない。という項目もあるはずです。

何よりも大切なのは、ある程度参考にしながらも「ワタシはこうして行こう」「ワタシはこのような事があれば気持ちの中でゆとりが生まれる」という風に、自分らしい生活スタイルの中で楽しみを見つけていく事が大事、それが「心のゆとり」につながっていきます。

お金だけではない。という事を付け加えさせていただきます。

 

老後にかかるお金は?

さて、生きていくために最低限必要な生活費については分かりました。
しかし、老後はその他にも必要なお金があります。

そこで、老後の生き方にかかわるお金の中で注目すべき3つの支出について詳しくお伝えしていきたいと思います。

注目すべき3つの支出とは次のとおりです。

  • 住居費
  • 介護費
  • 医療費

ではひとつずつ解説していきます。

 

住居費

 

住居費は、「住宅ローン」「修繕費用」「固定資産税」「家賃」などがあります。

住居費用は、住居形態(持ち家か賃貸か)によって違いますし、お住まいの地域や住宅の大きさによって、固定資産税も大きく違いますので、アナタ自身の状況を正しく知る事が大切になります。

住居費はお住まいの形態によって次の4つに分けられます。

  • 持ち家
  • 分譲マンション
  • マンション・アパート・住宅
  • 高齢者施設(有料老人ホームなど)

上記に老後30年住む場合を想定して考えてみましょう。
(下記の金額は一例です。)

<持ち家>の場合

持ち家の場合は、家賃がありませんので、毎月の支出がないのが大きなメリットです。
一方、修理が必要になった時の修繕費は全額自分でまかなわなければなりませんので、修繕費の準備が必要になり、固定資産税もかかってきます。

必要経費は下記の通りです。

A.固定資産税・・・毎年20万円×30年=600万円
B.修繕費用・・・10年に1回で200万×3回=600万円
必要額合計額(A+B)600万円600万円=1,200万円

<分譲マンション>の場合

分譲マンションの場合も、毎月の支出(家賃)がかからないことがメリットです。
しかし、将来的な修繕や管理をお願いするための費用が毎月かかりますし、固定資産税も同様にかかります。

必要経費は下記の通りです。

A.固定資産税・・・毎年15万円×30年=450万円
B.管理費・修繕積立費・・・毎月3万円×12か月×30年=1,080万円
必要額合計額(A+B)450万円1,080万円=1,530万円

<賃貸マンション・アパート・住宅>の場合

賃貸の場合、基本的な修繕費は大家さんが支払ってくれますので不要な点がメリットです。
また、固定資産税の準備も不要。
しかし、毎月決まった額の家賃の準備と、2年ごとの更新料が必要になります。

必要経費は下記の通りです。

A.家賃・・・毎月8万円×12か月×30年=2,880万円
B.更新料(2年ごと)・・・8万円×15回(30年分)=120万円
必要額合計額(A+B)2,880万円120万円=3,000万円

<高齢者施設(有料老人ホーム)>の場合

高齢者施設の種類はさまざまありますが、ここでは有料老人ホームについて説明します。

有料老人ホームの場合、毎月支払う「利用料」があります。利用料は、食費、光熱水費、管理費などがあり、プラスして「入居一時金」がかかる老人ホームもあります。
入居一時金はホームによってかなりの差があり、無料から数千万円までと幅がとても広いのです!ここでは計算上、120万円で計算しましょう。

必要経費は下記のとおりです。

A.利用料・・・毎月15万円×12か月×30年=5,400万円
B.入居一時金・・・120万円
必要額合計額(A+B)5,400万円120万円=5,520万円

住居費をまとめると、

  • 持ち家の場合1,200万円
  • 分譲マンションの場合1,530万円
  • 賃貸マンション・アパート・住宅の場合3,000万円
  • 高齢者施設(有料老人ホーム)の場合、5,520万円

となりました。

お住まいの形態によって金額がかなり異なりますので、ライフスタイルによって重要な選択となります。
ぜひ参考にしてください。

 

介護費

 

高齢になると、介護が必要になってきます。

介護費は、介護の度合いによって、非該当(自立)、要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5までの8段階がございます。

介護の度合いで利用出来るサービス内容が異なります。
それぞれの介護度合いによって介護保険が適用される範囲が違いますが、かかった費用の1割負担で利用できます。
しかし、介護保険利用範囲を超えると全額自己負担になってしまいますので注意してくださいね。

参考:厚生労働省介護保険制度の概要

「実際に、どのくらいの金額を介護費用として準備すればよいのか?」
に対して生命保険文化センターの平成30年度の調査結果があります。調査によると平均して「242万円」とのこと。

この金額は公的介護保険の適用外の費用としての金額となっています。

 

医療費

 

老後で避けて通れないのが「病気」ではないでしょうか。高齢になると共に、医療費がかさんでいきます。

厚生労働省「平成29年度国民医療費の概況」によると、65歳以上の年間の医療費は平均で738,300円となっています。さらに70歳以上で834,100円、75歳以上で921,500円と、高齢になるにしたがって医療費もかさみます。

ただし、この金額は医療機関が支払う医療費全体の額です。
実際の負担は、70歳以上になると、高額所得者を除くと1割負担で済みます。また、「高額療養費制度」といって、被保険者の収入に応じて一定の金額以上は還付される制度があります。

例えば、70歳以上75歳未満の人(一般所得者)は、外来で18,000円、入院と外来で57,600円以上は還付されます。
※平成30年8月診療分から限度額が引き上げられています。

高額療養費が還付されるには3か月以上かかりますので、長期入院などで多額の医療費がかかることが分かっている場合は、あらかじめ市区役所で「限度額適用認定証」を交付してもらうと、限度額以上は最初から支払わなくても良いので利用しましょう。

高額療養費について詳しくは 全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき」を参考にしてくださいね。

制度を利用すると、負担は少ないですが、差額ベッド代や交通費、保険の適用外の病気の治療などには適用されませんので、やはり医療費の準備は必要となってきます。

 

夫婦2人で老後を快適に暮らす生き方とは?

老後にかかるお金について理解できたところで、夫婦2人で老後を快適に暮らす生き方についてお伝えしていきます。

健康的な生活はとても大事ですが、やはり「お金」の問題が一番に来るのではないでしょうか?

そこで、老後、快適に暮らしていく生き方をするにはどんな事をしていけばよいのか、準備や工夫する事をお伝えします。

 

退職後も継続して働く

 

先にお伝えしました「老後2,000万円問題」の根拠は、定年退職後、夫婦共に無職のケースでしたね。
夫、あるいは妻が定年後も健康であるなら、継続して働くと収入が増えますから、老後必要な貯蓄額は減ります。

金融庁 金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書によると、定年後の65歳から69歳まで現役で働いている人は、男性で55%女性で34%もいます。
また、70歳以上の人の中で、元気なうちは働きたいと思っている人は全体の8割

日本は元気な老人が多いのです!喜ばしい事です。
健康であるのなら、是非、退職後も継続して働きましょう。お金の面だけなく、社会とのつながりを持つということは、生きがいにもなります

 

家計費を見直す

 

現役世代と定年後の老後の生き方でのお金の使い方を同じに考えるとどうなるでしょうか?

老後が30年続くとして、現役の時と同じようにお金を使っていては、貯金が底をついていくのは目に見えています。好きな物を買ったり食べたり旅行に行ったりと、生活レベルを同じに考えていては「老後破産」が起きてしまうでしょう。

そこで、家計の中で見直しの出来る部分を見直していくことが大切です。

家計費の中には「固定費」と「変動費」があります。

固定費とは
住居費、通信費、保険料、車関係費など毎月、毎年必ず支出することが決まっているお金のことです。

変動費とは
食費、娯楽費、交際費、嗜好品代など、毎日の暮らしの中で変動するお金のことです。

2つのうち、見直しをすると成果が出やすいのは「固定費」です。ちょっと工夫すれば減らす事が可能ですので見直していきましょう。
一例を一覧表にしてみましたので参考にしてくださいね!

車関係費

費目 方法
通信費 格安スマホに切り替える
契約プランを見直してみる
車関係費 省エネ型の車に買い替える
普通車から軽自動車に買い替える
車に乗るのを辞める
保険 不必要な保険は解約や据置にする
家賃 家賃の安い所へ引っ越しをする

 

個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAの利用

 

生命保険は、死亡保障や医療保障などの保障の部分だけではありません。
貯蓄的要素」も高いです。

生命保険のうち、「個人年金保険」は、毎月一定の額を積み立てていきますが、長期的目線で見ると、貯蓄よりも利回りが高くなる事が多いです。
さらに、確定申告時、保険料が「個人年金保険料控除」の対象となり、所得税や住民税が安くなります。

また、「iDeco(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA(少額投資非課税制度)
など、税制上、優遇されている投資信託商品を利用していくのも有効な手段です。
ただし、元本保証はありませんので、長期的目線で利用しましょう。

iDeCo  つみたてNISA
利益非課税
所得控除 ×
特徴 ・60歳まで引き出せない
・年間81.6万円まで所得控除が受けられる(所得税・住民税が安くなる)
・いつでも引き出し可能
・投資額は年間40万円まで最長20年契約できる

 

まとめ

ここまで夫婦2人で過ごす老後の生き方について生活費を中心に解説してきましたが、いかがでしたか?

今回の記事では次の事をお伝えしました。

  • 夫婦2人で過ごす老後の生活費は約2,000万円だが、生活スタイルやゆとりの取り方によって違いがある。
  • 老後にかかるお金のうち「住居費」「介護費」「医療費」は特にしっかり考える必要あり。
  • 夫婦2人の老後の生き方を快適にするには、退職後も働く、家計費を見直す、金融商品の利用など工夫が必要

老後はまだ先と思っているアナタも是非参考にして、今から出来る事をやってみてくださいね。そして、来たる老後は快適な暮らしができますように願っています!

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