資産形成

超初心者でもわかる資産運用のあれこれをわかりやすく解説!

「老後は2000万円が必要」「そのためには資産運用だ」

こんなことが叫ばれるようになって久しいですが、まだまだ資産運用することは日本では一般的ではありません。「資産運用してみたい」と思いながら、二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか。

資産運用をしない理由の多くは、よく知らないことです。積極的に知識を得ようとしない場合、私たちには資産運用のマイナス面ばかりが聞こえてきます。『損をする』『騙される』といった情報に惑わされ、私たちは資産運用をする気がなくなってしまうのです。

そこで、この記事では超初心者に向けて、資産運用についてわかりやすく解説していきます。資産運用は仕組みさえわかれば、怖いものではありません。せっかく稼いだお金も持っているだけでは増えません。大事なお金にも働いてもらい、私たちの資産を賢く増やしていきましょう。

預貯金より資産運用がいいって本当?資産運用のメリットデメリット

 

超初心者でもできる!資産運用の種類と仕組み

 

資産運用と聞くと難しいイメージがありますが、実はその仕組みは簡単です。超初心者でもできる資産運用には、株・債券・投資信託があります。こういった金融商品で稼ぐ仕組みは、次の2つです。

1つ目は値上がり益(キャピタルゲイン)です。買った値段よりも高く売ることで、その差額が儲けとなります。100円で買ったものが150円になったときに売れば、50円の儲けが生まれますよね。実際には手数料などもかかりますが、仕組みは至って簡単なものです。

資産運用といえば、このように売買を繰り返し稼いでいくというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。しかし、実は値上がり益を狙って失敗し資産運用をやめてしまうという人も多く、初心者にはおすすめできないハイリスクハイリターンな稼ぎ方です。

次に2つ目の稼ぐ仕組みは配当と利息(インカムゲイン)です。こちらは金融商品を売買せずとも、持っているだけで生まれる利益となります。預貯金でいうところの利息をイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。配当や利息の利率は1~5%で、低金利の今銀行にただ預けておくより、よっぽどお得だと言えますね。

 

資産運用のメリット

 

資産運用をする最大のメリットは、資産を大きく増やせるということです。私たちが稼いだ大切なお金は、現金として持っていても増えはしません。しかも、日銀は2%の物価上昇を目指しています。この通りに物価が上がってしまえば、現金の価値は相対的に下がってしまいます。

だから私たちは、最低でも物価上昇分程度は資産を増やし備えておく必要があるのです。入ってくるお金が変わらない中、資産を増やすためには資産運用が適しているというわけなのです。

 

資産運用のデメリット

 

資産運用にはリスクもあります。それは必ずしも資産を増やせるわけではなく、損失が出てしまうこともあるというものです。順調に資産運用ができていても、社会情勢によって一気に暴落してしまえば、資産価値はあっという間に落ちてしまいます。

これは、現金として持っている場合には起きないことなので、資産運用のデメリットだと言えるでしょう。資産を増やしたいと思っていたのに、損失が出てしまっては意味がありません。しかし、低リスクな資産運用を選べば、損失が起きる可能性を少なくすることはできます。

次の章では、損失が起きるリスクを減らすための、超初心者が押さえておくべき投資の基本について解説していきます。デメリットばかりに気を取られず、損失を回避する方法について知っていきましょう。

 

超初心者が押さえておきたい投資の基本

 

最初はこらえて『少額投資』

 

資産運用には失敗がつきものです。だから、超初心者の私たちは少額から投資するのが基本のキとなります。「資産運用をしよう!」と決意した私たちは、ついつい資産運用に回せる額のすべてを大きく使ってしまいたくなります。

ですが、まずは少額から資産運用するようにしましょう。金額をあげるのは少額投資で経験を積んでからです。資産運用は1000円から始めたっていいのです。

 

短い期間でガッツリ儲けようとしない『長期投資』

 

資産運用は長い目で行うことが鉄則です。1~2年の短い期間でやろうとすれば、短期目線で見た損益に惑わされ、無理な売買を繰り返すことになります。これでは、失敗する可能性が高くなってしまいます。

そんなことにならないためには、資産運用は10年単位で考えるようにしましょう。短期目線で見れば損失に見えても、長期的に見れば利益を生むことがあるのです。配当や利息は微々たるものに感じられるかもしれませんが、積み重なれば大きな益となります。

私も資産運用を始めたばかりの頃、株を購入したはいいけれど毎日の値動きに一喜一憂し、値下がりしたところで「これ以上、損が大きくなる前に!」と焦って売却し、結局損をしてしまったことがあります。

 

1つに集中するのは危険『分散投資』

 

資産運用で大きく損をしないためには、分散投資が大切です。1つのものに集中して資産運用してしまえば、その方法がダメだった場合、大きく損をすることになります。その点、分散しておけば1つがダメでも、他の方法で儲けることができるのです。

初心者は大きく儲けようと1つの金融商品に集中投資をしようとしますが、それは危険です。初心者こそ分散投資を心掛けるようにしてください。

 

投資額は決めておく『積立投資』

 

「稼げるときを見極めて投資したい」というのは、誰でも考えることです。しかし、それが誰にでもできるようなら、資産運用で失敗する人はいないでしょう。超初心者の私たちがするべきなのは、一定金額を定期的に積み立てて投資する方法です。

このように投資金額を決めておくことで、価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことができます。これによって購入価格を平準化することができ、損失を防ぐことができるのです。

わかりやすい例として、下記の表で、毎月10000円ずつの積み立て投資をした場合と、毎月1口ずつ買うという投資の場合でどんな差がつくか見ていきましょう。

1口あたりの価格
購入方法 8,000円 15,000円 5,000円 13,500円 購入金額/購入口数 平均取得単価
価格によらず必ず10,000円分で買えるだけの口を購入 1.25口 0.66口 2口 0.74口 40000円/4.65口 8,602円
価格によらず必ず1口購入する方法 8,000円 15,000円 5,000円 13,500円 41,500円/4口 10,375円

上からご説明します。

購入方法の行ですが、購入回数が1回目から4回目の4回にわたって購入した時を想定して試算して参ります。1口あたりの価格ですが、購入回数ごとに価格が変動しています。また4回における単価平均は10,375円となりました。

次に、価格によらず必ず10,000円分で買えるだけの口を購入する方法ですと、毎月買える口数が変わってきます。価格の変動に惑わされることなく購入することができ、平均取得単価を見ると8,602円です。

最後に、価格によらず必ず1口購入する方法ですが、その名の通り必ず1口ずつ購入します。価格が安いときは安く買えますが、高いときでも高い金額を払って1口を手にします。このとき平均取得単価は10,375円でした。

以上のことから、必ず1口購入するよりも必ず10,000円分購入する方が平均取得単価は1,773円安い結果となりました。効率のよい投資のためには、毎月決まった額を決まったときに買うのがいいのです。

 

リスクとリターンの正の相関関係

 

世の中には、たくさんの怪しい資産運用話であふれています。超初心者の私たちは、おいしい話に飛びつきたくなってしまいますが、その前にリスクとリターンの正の相関関係について知っておきましょう。

さまざまな金融商品がありますが、リスクが高いほどリターンも高く、リスクが低ければリターンは低くなります。リスクが低いのに高リターンなんてこの世には存在しません。

超初心者の私たちは、手堅く低リスク低リターンから資産運用を始めなければならないことをしっかり意識しておきましょう。

このことがわかっていれば、怪しい投資話に騙されることもありません。

 

超初心者におすすめの資産運用はこれだ!

 

投資信託

 

超初心者におすすめの資産運用は、何と言っても投資信託です。投資信託とはその名の通り、信じて託す投資のことです。投資の専門家が、投資信託を購入してくれた人たちのお金をまとめて、いろいろな投資を行ってくれます。

私たちはお金を出すだけで、後のことはプロに任せられるので資産運用のタイミングを見計らう必要がありません。

超初心者でもいつでも気軽に始めることができるのが投資信託なのです。

また、ネットでの取引が不安だという人でも安心!多くの銀行や証券会社が販売していますので、窓口で気軽に買える点もおすすめです。初めての資産運用で不安でも、対人でじっくり相談しながら買うことができますよ。

逆に、投資信託のデメリットとしては、コストがかかることと資産運用をしている感覚が得づらいことです。

投資信託はプロの手による運用なので、手数料がかかります。購入時には販売手数料、運用時には信託報酬、解約時には信託財産留保額がそれぞれかかることを頭に入れておきましょう。

そして、購入して解約するまで自動で運用をしてくれるので、私たちには資産運用をしているという感覚がありません。それだけ気軽にできるということでもありますが、資産運用している実感が欲しい人には物足りないかもしれません。

 

債券

 

債券手堅い資産運用をしたい初心者におすすめです。そもそも債券というのは、国や地方自治体・民間企業が発行している有価証券です。購入時に利回りが明確にされているため、安心して買うことができるでしょう。

えば、2020年の7月に販売開始された個人向け国債を見てみると、5年で満期を迎える『固定5』という商品は0.05%の利率です。決められた期間保有しておけば、この利率は保証されており、まるで定期預金のように考えることができ超初心者でも安心して購入できます。

また、投資期間や利率が決められているので、資産運用の計画を立てやすい点もメリットですね。購入することで国や地方自治体、企業などを応援している気持ちにもなれ満足度が高いでしょう。

一方、デメリットとしては収益が少ない点が挙げられます。先ほど例として挙げた5年の国債も利率は0.05%と低くなっています。リスクも低い代わりにリターンも低いのが債券の特徴です。また、安全なイメージがありますが、発行元の国や企業が破綻すれば、お金が戻ってこないリスクはあります。

 

AIにおまかせ!自動売買システム

 

「資産運用がよくわからない!楽して運用したい」という人におすすめなのが、AIによる自動売買システムの利用です。投資信託の自動積立はもともと手間のかからない投資方法ですが、購入する銘柄を選んだり資産配分を設定したりということは自分で行わなければなりません。それもすべてAIにお任せできるのが、自動売買システムの利用です。

ロボアドバイザーは私たちの目標とする金額や許容できるリスクに合わせて、資産配分の構築を行ってくれます。私たちはお金を口座に準備しておくだけでいいのです。

まずは、AIの資産運用方法を見ながら勉強して、慣れてきたら自分でも運用を始めてみると私たちの資産運用はうまくいくでしょう。

 

どうやるの?資産運用の始め方

 

資産運用にかけられるお金は?現在の資産状況をしっかり把握

 

ここまで、超初心者でもできる資産運用の種類について見てきました。続いていよいよ資産運用の始め方を見ていきましょう。資産運用の始め方を知っておけば、難しいイメージはなくなりますよ。

まず、資産運用を始める前にしっかりと自分の資産状況を確認しておくことが大切です。資産運用というものは、余剰資金で行うべきものです。余剰資金とは自分の持っている財産から生活のためのお金・使う予定のあるお金・急な出費に備えるためのお金を除いた資金のことを指します。

余剰資金以外を資産運用に使ってしまえば、損益が出たときには生活が立ち行かなくなってしまいます。それでは、資産を増やしたいと思っていたのに本末転倒。資産運用は私たちの生活を脅かすものであってはならないのです。

「どうせやるなら、多額の資金を使いたい!」と考えるのは自然な心理ですが、先ほどご紹介した投資の基本を思い出してください。投資は少額投資が基本です。超初心者だからこそ基本を守って、余剰資金内で投資をするようにしましょう。

そのためにも、今現在の資産状況の確認は大切なこととなります。どのくらいのお金が使えて、どのくらいの期間でどのくらい資産を増やしたいのか。自分の現在の資産と目標を設定してから、資産運用を始めていきましょう。

 

まずはここから!証券口座を開設

 

さて、いよいよ資産運用を始めていきましょう。資産運用するためには証券会社に口座を開設する必要があります。

投資を行う場合、証券会社に口座を開設しておくことをお勧めします。これまでご紹介してきた投資信託や債券は、銀行でも買うことができますが、証券口座の方が投資の幅が広がります。

証券口座の作成は無料ででき、維持費もかかりません。ネット証券会社なら手数料も安く銀行よりもお得に資産運用が可能です。超初心者におすすめなのはローリスク・ローリターンの投資ですから、かかるコストは少しでも抑えた方がいいのです。

ネット証券だと投資信託の際の販売手数料が無料の商品も多く、私たち超初心者は少しでも大きく儲けるためには、ネット証券で口座開設していきましょう。

ネット証券ならば、口座開設はすべてネットで完結するため、忙しい人でも簡単にできます。

また、口座を開設するのには時間がかかります。ネット証券でも最速で翌営業日となり、申し込んだその日から運用を開始することはできません。資産運用はタイミングがとても大切です。「買いたい」と思ったときに行動できるように、口座の開設は早い段階でしておきましょう。口座開設が済めば、資産運用の準備は完了です。

 

儲けが儲けを生む!投資で得たお金を再投資

 

私たち超初心者は、資産運用で儲けが生まれるとそのお金を消費したくなってしまうものです。実際、私も国債を購入して得た微々たる利息を使ってしまい、資産が増えたように感じられなかった経験があります。

このように資産運用を始めると、運用していること自体に安心してしまい資産を増やすという意識がなくなってしまうことがあります。ですが、それではいったい何のために資産運用を始めたのかわからなくなってしまいますよね。

大切なのは資産運用で得た配当や利息は、すべて再投資に回すということです。そうすれば、投資の元金が増えていくことになります。ローリスク・ローリターンの投資法であっても、利益が積み重なり、さらなる利益を生んでくれることとなるでしょう。

さらに、節約意識を身につけ毎月の余剰資金を投資に回せると、なおいいでしょう。どんな資産運用方法だったとしても、元金が増えていけば利益も膨らんでいきます。投資で得た利益は再投資に回すなど、少しでも投資金額を増やす意識を持っておきましょう。

 

資産運用するなら知っておきたいお得な制度

つみたてNISA

 

続いては、資産運用するなら知っておくべき制度について解説していきます。資産運用に興味がある人ならば、NISAは聞いたことがあると思います。2014年1月に始まった投資で得た利益が非課税になるお得な制度のことで、少額投資をする超初心者ならば絶対に利用したい制度です。

さらに、つみたてNISAは2018年1月に始まり少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。つみたてNISAの対象商品は、国が定めた基準を満たした投資信託に限定されています。私たちのような超初心者の資産運用を助けてくれるための制度なのです。

つみたてNISAは年間40万円までの投資信託の購入が可能で、それによって得た利益が最長で20年間非課税となります。私たち超初心者にとって、利益に課税されないというのは大きなポイント。普通ならば投資信託の利益には20.315%の課税がされるため、かなりお得感がありますね。

資産運用をするならNISA口座の開設は忘れずに行いましょう。NISAの利用にはNISA口座の開設が必要で、1人1つのみ作ることができます。つみたてNISAは少額から長期で積立ながら資産形成できる、私たちの味方のような制度です。

 

iDeCo

 

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、60才までの人が利用できる自分で作る年金制度のことです。iDeCoに加入すると毎月一定の金額を積み立てて、さまざまな金融商品で自ら運用していくこととなります。

iDeCoは月額5000円から始めることができ、積立金額のすべてが所得控除の対象となり節税することができます。運用で得た利益は非課税となり、受け取るときには公的年金等控除・退職所得控除の対象です。節税と非課税の2つの点から、お得な制度だと言えるでしょう。

ただし、iDeCoは60才となるまでは引き出すことができません。60才以降に年金や一時金で受け取ります。「60才までなんて、途中で積み立てられなくなったらどうしよう…」という心配は不要です。引き出すことはできませんが、積立の休止と再開はいつでもできます。また納付方法も給与天引きと口座引き落としが選べ、残高不足の場合未納となるだけです。

このお得な制度を2つ知ると「iDeCoとつみたてNISAどっちがお得なの?」と迷ってしまいますが、この2つは併用できます。どちらか一方だけを選ぶなら、節税効果もあるiDeCoがおすすめですが60才まで引き出せない点には注意が必要です。

いつでも引き出せるつみたてNISAは教育資金や家のリフォーム代など、60才までに使うであろうお金のために利用する。一方、iDeCoは老後資金の形成に利用する。2つの制度を目的別に利用すれば、賢く資産運用をすることができるでしょう。

 

まとめ

 

「資産運用ってした方がいいの?」

「そろそろ資産運用について考えなくちゃいけないな」

まだ資産運用経験のない私たちの多くは、このように考えています。そんな思いを抱えつつも資産運用に踏み出せない原因は、知識の少なさにあるでしょう。

資産運用に対する「損をするのでは?」という怖いイメージも、知識の少なさからくるものです。誰でも最初からプロではありません。今投資のプロと言われる人も皆、超初心者から資産運用を始めているのです。私たちも知識をつけて、安全な資産運用をはじめていきましょう。

私たち超初心者が知っておくべき投資の基本は5つです。少額投資・長期投資・分散投資・積立投資・リスクとリターンの正の相関関係の5つを知っておけば、資産運用のリスクはかなり小さくなります。

多くの資産運用に関する失敗は、大きく儲けようとすることから起きています。「せっかくやるなら大きく稼ぎたい!」というのは当然の気持ちですが、超初心者のうちはその気持ちを抑えておきましょう。

長期目線で少額を分散して投資すれば、利益は少ないかもしれませんが確実に資産を増やしていくことができます。そして、得た利益を再投資すれば資産はどんどん増えていくのです。投資の基本を押さえて、リスクの低い方法で資産を運用していきましょう。

また、つみたてNISAやiDeCoといったお得な制度を使うのも忘れないようにしてください。得た利益が非課税となるのはかなり大きなことです。

私たちが生きていくためには、どうあがいてもお金が必要です。そんな切っても切れないお金と上手に付き合い、資産を増やして安心して毎日を過ごせるようになっていきましょう。

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